
あかほりさとる 作
【Amazon/bk1】
「私に恋を教えてくださいますか」
「ああ……一生をかけて恋をしよう」
<あらすじ>
豪華客船上の結婚式。恋が始まったその時、襲い掛かった運命は。
滅びたはずのトランシルバニア魔導士協会と世紀の大悪党との因縁とは。
花組入隊前の花火とロベリアを描く、シリーズ第2幕。
<感想>
ゲーム中では花火に甘い台詞を吐いているくらいしか印象に残らず、顔さえも見えなかったフィリップ(しかも偽者)ですが、本物のフィリップは意外にいい人だったんですね。
ちょっと出来すぎなところがかえって胡散臭い気もしましたが、悲劇を盛り上げる(嫌な言い方だ…)にはこのくらいの美化は許容範囲かと。
もし彼との出会いがなければ花火は霊力に目覚めることもなく、巴里華撃團に入ることもなく、平穏な一生を過ごしたのでしょうか。
果たしてどちらの生き方が花火にとって幸せだったのか、それはまた別としても。
事故が起こったときの人々の奮闘は、ベタながらに心動かされるものがあります。
しかしゲーム開始時の花火が「あの状態」とはいえ、救われない終わりです。
続いてロベリア篇は…あれ……?
演出としては面白いし、ストーリーそのものは悪くないんですが、あまり「前夜」らしくないなぁというのがひととおり読んだ印象。
「ロベリアの過去が謎に包まれている」というサクラ世界の一般市民視点で語るのはアリだとは思うのですが、それじゃぁ今までのグリシーヌ篇やコクリコ篇は何だったんだという気がします。
極めてオフィシャルに近い二次創作を読んでいるような感じがして、微妙な消化不良感が残ってしまいました。
花火篇にしろロベリア篇にしろ、本来描かれるべき人物が脇に下がってしまっている所為で、全体としてはちょっと物足りなかったです。
「前夜」で読みたいのは単なる過去エピソードじゃなくて、隊員が華撃團に辿り着くまでの流れなんですよ。
帝都篇の時は当時の社会情勢等を絡めつつも各ヒロイン達の決意や心の動きが描かれていたのですが、今回の花火篇、ロベリア篇は特に過去のエピソードの一部で終わってしまっている感があるのが「前夜」としては不満です。
外伝としてはどちらも面白く読めるだけに勿体無い。
帝都篇は1巻が一番良かったと思うのですが、巴里篇も1巻を超えられないままになってしまうのでしょうか。
続くエリカ篇、メルシー・グランマ篇(あるの?)に期待……していいのかしら(^^;
余談ながら、あとがきは蛇足だと思いました。
一体何を力説してるんですかあかほりさん(苦笑)
【パラレル・ワールドの最新記事】

